職員インタビュー

キャンパスライフ

先生に聞きました!
岩手看護専門学校が大事にしている教育とはなんですか?

さまざまな医療現場で、本校の卒業生は高い評価を受けています。
その源はいったいどこにあるのでしょうか? 現場を預かる先生2人に、
岩手看護専門学校の教育の特徴、目指しているものを聞きました。

語り手
松本 知子(副校長)
野辺地 淳子(3年生副担任・実習調整者)

インタビュー

- 日々の教育で大事にしていることは何ですか?

野辺地 知識や技術の習得はもちろん大切ですが、豊かな人間性を育てることに力を注いでいます。看護師は人と深くかかわる職業です。あいさつや言葉遣いなど人と接する基礎を、入学直後から徹底的に指導していきます。初めて会う人と話すのが苦手という人も多い時代ですが、時間をかけてコミュニケーションのスキルを上げていきます。

松本 来訪者へのあいさつや案内など、礼節やマナーの指導は最初は窮屈に感じるかもしれません。でも、こうして身についたものは現場でかならず役に立ちますし、周囲の評価にもつながっていきます。

野辺地 敦子先生
野辺地 敦子先生

野辺地 社会人の基本ができているから、すぐに仕事のステップに進むことができる―。就職間もない本校の卒業生に、現場からこんな声が聞こえてくるのも嬉しいことです。

- 国家試験合格率100%を維持していますが、その原動力は何ですか?

野辺地 時間を無駄にしない習慣が身についているからだと思います。たとえば休講になって時間が空いたとしたら、すかさず国家試験の過去問題にとりかかるとか、限られた時間を有効に使う癖をつけるように指導しています。

松本 不得意なところを繰り返し繰り返しやっていきます。それが国試対策としては有効だと思います。2年生のうちから国試に対する意識づけという意味も含めて、こうした習慣が身につくようにしています。

野辺地 うちの学校では、クラス全体でまとまってみんなで取り組んでいくという姿勢ができあがっています。なので、国家試験も全員で合格を目指そうという意識が高く、それが100%合格率につながっているのだと思います。

松本 先輩たちの学ぶ姿、国試に取り組む姿を後輩たちが見て、自分たちもがんばろうという流れができています。先輩が後輩の面倒を見るのは当たり前、後輩は先輩の背中を見て育つ―。これは長い歴史のなかで培われてきた伝統のひとつだと思いますね。

- 実習先に恵まれているのも大きな特徴ですね。

松本 知子先生
松本 知子先生

野辺地 当校は岩手医科大学の関連校ということもあり、岩手医科大学附属病院での実習を毎年行っています。一般病棟はもちろんですが、高度医療や救急医療の現場の雰囲気を知ることは、大きな意味を持っています。将来の選択肢を考えるうえでも、その現場を少しでも見たことがあるのとないのでは、かなり違うのではないでしょうか。

松本 私は、長く岩手医大病院で実習を受け入れる側の立場にいました。受け入れるにも限りがありますから、実習に入れない学校もあります。その点、確実に実習に入ることができるのは大きいと思いますね。

野辺地 患者さんとの接し方は座学でも学びますが、現場で看護師はどうかかわっているのかを実際に見ることで、自分の中で初めていろいろなものが繋がるはずです。

松本 1年生が初めて実習に出るとき、直前まで技術の練習をしていました。お互いの血圧を測ったり、からだの拭き方とか車椅子の移送とか、習ったところを何度も何度も繰り返して。緊張でいっぱいのようでしたが、こうした経験を重ねて成長していくわけですね。

- 学生の適性や将来の進路設定はどのように引き出しますか?

野辺地 2年生で最初の面談を行い、どういう分野に興味があるのかをまず聞きます。それまで何度か実習に行っているので、どんなところが得意なのかはだいたいわかってきますね。本人の希望と私たちの判断がずれる場合もありますが、そんな時はさらに話し合い、着地点を見出していきます。アドバイスはしますが最終的に決めるのは本人。決まったら、できる限りのサポートで応援します。

- 看護師の魅力、やりがいをどのように伝えていますか?

松本 卒業生が大勢いるので、ときおり学校に来てもらい、体験談を話してもらうことも多いですね。戴帽式の前などは、いろいろな意味で大切な機会です。

野辺地 私自身のことで言えば、いろいろな方の人生の一場面に関わらせていただくことができる、他に例のない職業だと思っています。看護しているつもりが患者さんやご家族から教わることも多く、自分の人生の幅も広がります。病気はその方のターニングポイントになることも多い。治ることもあれば、残念ながらそうではないこともあります。そんな貴重な場面に立ち会うことができるというのは、すごくやりがいのある職業だと思いますね。

松本 人が生まれたり亡くなったりするのは、一生の中でもそんなに頻繁にあることではないですよね。その大事な場面に立ち会い、お手伝いさせていただくことができるというのは、本当にありがたいこと。人の人生を一緒に歩んでいるような、そんな感覚です。それを職業にできているということは、本当に素晴らしいことだと思っています。

- この学校の3年間でいちばん学んでほしいのはどんなことですか?

松本 「心」です。知識や技術は勉強すれば身につきますが、「心」はどうでしょう。看護師は弱い立場の方に寄り添う仕事です。そういう方たちと向き合う姿勢というのが、いちばん大事だと思います。実習でいろいろな経験をして「心」が育ちます。そこが豊かになるのと、何も感じないまま卒業するのでは違うのではないでしょうか。そういうところが少しでも育って卒業すれば、臨床に行ったときの大きな財産になると思います。

野辺地 看護師はうわべだけでは続けられない職業です。うわべで働いても患者さんにはすぐわかってしまい、あの看護師さんには来てほしくないと言われてしまいます。からだを拭くことひとつとっても、ただ拭いて帰っていくのか、気持ちを患者さんにしっかり向けて、気づいたり励ましたりできているのか。極端な話、そんなものがなくても国家試験は受かるかもしれません。でも、私たちはそういう看護師は育てたくないと思っています。

松本 私もこの学校の卒業生ですが、医学概論の最後の授業で、「君たちは優秀な看護師にならなくてよろしい。いい看護師になってください」と言われたのがすごく心に残っています。そのときは何を言っているんだろうと思いましたが、いまになってその意味がよくわかります。